綴琴戯術

第九講 「銀色の道」をお手本に



「ちいさな努力で大きな効果」
綴琴戯術のちすもんですー。

さて今回の綴琴戯術のタネ。
「代理コードは発掘作業」です。

「オートハープに弾けない曲はありません、
 弾けないのはオートハープではなくアナタです」
と主張し、世のオートハープ所持者の過半数を敵に回している綴琴往来ですが(笑)
「そんな事言ってもコードに対応するバーがなければ仕方ないではないか」
との声をよくお聞きします。
はい、ではここで「オートハープとは」のおさらいです。
オートハープは三十数本の弦が音階順に張られ、
弦と交差してコードバーという治具が装備されています。
コードバーは目的の和音構成音以外の音の弦をフェルトで押えることで、
弦全体をストロークしてもコードバーを押えているかぎり
目的の和音しか鳴らないようにと工夫されたツィターの1種です。
「三十数本の弦が音階順に張られ」・・・
つまり音は全部あるのです。
コードバーは演奏を楽にするための補助具であって、
それがオートハープの機能の全てでは無いとオートハープの
特許明細書にも明記されているのですが、
どういうわけか「コードバー」の有無を錦の御幡のように掲げている方が
我が国では多いんですねー。

さて、と言うことで今回はメロディラインとは全然違うコードバーを
つかってメロをひろってみましよう。

では出だしです
「giniro01.mp3」をお聞き下さい
これは
 Em Bm Am B7
を繰り返して弾いています。

つづいて「giniro02.mp3」
Em Em Bm Em /Bm Bm B7 Bm
Em Em Em Bm /Em B7 Bm
Em Em Bm Em /Bm Bm B7 Bm
Am Am B7 Am Em Em

はい、「をいっ!全然和音が違うぞ」と思われた方。
そのとおりです(笑)
そもそもがこの曲、やたらに変則的なコードを多用していますので
まともに対応したらバー15本全部作らないと追いつきません。
そこでメロディの音を持っているコードを使い、
目的の音を掘りだそうってワケです。
従いまして他の弦を叩いて不協和音を出さないように気をつけて
メロを拾って下さい。
バーは気休めです。ツィター本来の奏法を目指しましょう

続きです
「giniro03.mp3」
G D G D C C B7
C D C D C B7 B7 (B7 Am Em Bm)

ここ、目一杯メロラインから外れていますからピックを立てて
スタッカートよく拾って下さいね。

最期です
「giniro04.mp3」
Em Em Bm Em /Bm Bm B7 Bm
G C C D G B7 / B7 Em B7 Bm Em Em

こいつをモノにできましたら応用範囲はすごく広がります。
どうか根性入れて御挑戦下さい。
慣れてこられましたらBmのバーを使わず、
ハーを押えないオープンの状態で音を拾うようにしてみて下さいマセ。
ミュート弦を弾く音がなくなるのでひじようにクリアなメロディラインを
作ることがでくますよー

では最期に全部通してお聞き下さい
「ginironomiti.mp3」